Communication Cube X

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離れた空間や時間にいる別の鑑賞者 (それは実在する人間とは限らない) と体験を共有して、それらの概念を超えた存在とコミュニケーションする。

別の鑑賞者の存在は、鑑賞者の手のひらの中で作品の表面を動き回る光 (=エネルギー) として抽象化される。光の動きだけに注目すると、別の鑑賞者はすぐ隣に存在するかもしれないし、離れた空間に存在しているのかもしれない。同じ時間に存在するかもしれないし、過去の時間における操作が現在において再生されているのかもしれない。あるいは、未来における操作が現在に表出しているのかもしれない。

それぞれの個体が持つ固有の色は、それぞれの宇宙を表している。セルオートマトンのアルゴリズムの上で同じ色の操作は光の動きとなって影響し合い、別の色の操作は直接的に影響することなく光の混色としてだけ表現される。この瞬間にも、別の宇宙は我々の宇宙と重ね合わさって存在していて、観測できない部分では影響を及ぼし合っているのかもしれない。

素材

  • 3D プリント樹脂フレーム, LED 付きボタンスイッチ, スピーカー, 振動アクチュエータ, 各種センサ, 電子回路, その他

サイズ

  • W3000 × H2000 × D3000mm (空間)
  • W88 × H88 × D88mm (個体)

発表

  • 2019.07

作品の表面には、フルカラー LED を内臓した押しボタンスイッチが合計96個配置されている。押しボタンスイッチを押下すると、押した場所のスイッチが発光する。光は、セルオートマトンのアルゴリズムをアレンジした独自のアルゴリズムに従って作品の表面を移動し、光の移動中に鑑賞者がさらにスイッチを押下すると、リアルタイムにアルゴリズムに介入することができる。

作品に内臓された無線 LAN によって複数個の個体は連動して動作し、ある個体の押しボタンスイッチを押下すると別の個体にもその操作が伝わる。

それぞれの個体は固有の色を持っており、ある個体での鑑賞者の操作は、別の個体に色の情報を伴って伝達される。別の個体では、その個体に固有の色によるセルオートマトンのアルゴリズムと、別の個体から伝達されてきた色によるセルオートマトンのアルゴリズムの演算の結果が融合し、光の動きや混色として鑑賞者にフィードバックされる。

充電可能な内臓バッテリーを搭載し、外部電源を必要とせずに作品を鑑賞することができる。また、スピーカ・リニア振動アクチュエータ・温度センサ・気圧センサ・加速度センサ・ジャイロセンサ・方位センサを搭載している。

多摩美術研究 令和2年 第9号「気配伝達彫刻「Communication Cube X」の設計と制作ー視覚的デザイン・構造設計・電子回路設計・ソフトウェア実装の流れと詳細についてー」に詳細を寄稿

Communication Cube v1 ~ VII
世代 実装方法 CPU 通信 色数
v1 ユニバーサル・片面 PSoC なし モノトーン
v2 ユニバーサル・片面 PSoC なし モノトーン
III 手動エッチング・両面 PSoC なし モノトーン
IV 手動エッチング・両面 PSoC なし モノトーン
V 手動エッチング・両面 PSoC なし モノトーン
VI 手動エッチング・両面 PSoC なし モノトーン
VII 手動エッチング・両面 PSoC なし モノトーン
X (VIII) 機械製造・両面 ESP8266 無線LAN フルカラー